佐賀へ視察研修。究極の蕎麦と大将と。

里味庵の蕎麦
里味庵の究極の蕎麦

佐賀へ!

先日の店休日、佐賀県へ視察・研修という名目の「食べ歩き」に行ってきました。

もともと、自分一人でサクッと行って、

何件も食べ歩こうと思っていたのですが、

いやいや、ここは、どうせなら従業員にもと思い立ち、

急遽、従業員数人と視察研修となりました。

 

昔は、食べ歩きとなると、昼2軒、夜3軒などという行程も珍しくなかったのですが、

それは流石に従業員に強要できないので、

このたびは、日帰りですので、3軒だけお邪魔しました。

 

イカの町「呼子」

私は以前も行ったことはありますが、従業員はまだだったので、

佐賀呼子の町と、お店を体験するために、先ずは、ここを目指しました。

前日、ちょうど、梅乃葉に取材に来られた「福岡ウォーカー」さんの記者さんにも、

リサーチ済み。

唐津市街から近ずくにつれ増えてくるおびただしい看板の数々。

賑やかですねえ。

 

一軒目は、

いかしゅうまい発祥の店「萬坊」(まんぼう)

なんといっても、日本で最初の海中レストランでもある、萬坊さん。

イカの水槽では、なく、海の中にイカを泳がせて生かしています。

(↑結構、そこが見たかったんですが、流石に近くには行けません。)

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入り江の中ほどに浮島のように海中レストランがあって、桟橋で渡ります。

う~ん、こりゃ、子供も喜ぶなあ~ってプロローグです。いいですね。(長門の紫津浦みたいなもんです。)

個人的には、バラティエにでも来た気分に勝手になって楽しんでいました(笑)、

中に入っても、真ん中には大きな生け間(網で覆って)を作ってあり、

鯛や鱸にイサキ等が泳いでいて、ちょっとした水族館状態。

海中をのぞきながら食事を注文しました。

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※お店や料理がどうというのは、控えておきます。

 

2軒目は、

「海舟」

次に、もう1軒、萬坊とも近い「海舟」さんへ。

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やっぱり、海辺にお店があると、景色がいいですよね。

こういうロケーションにお店があるのとないのとでは、やはり、お客様の期待感が違いますよね。

ちょうど、団体のバスもおられ、賑やかしげでしたが、お食事スペースは、別なので、ゆったりとした場所で、

色々、料理を頼みました。

 

 

イカの町としての歴史も古く、店舗も多いし、福岡からもアクセスが良いので、お客様も多い。

お店の姿勢の違いや、こだわる(興味のある)ところの違いも垣間見れて、

呼子だからできることもあり、長い歴史がこういう形にしたのだろうと思えるよなところもあって、

私としても、うちの従業員にも見させることができて良かったです。

 

ともかく、いい視察になりました。

 

3軒目は、

究極の蕎麦屋「里味庵」へ

お腹は満腹でしたが、当日、私的にはメインイベントだったのが、この蕎麦屋さん。

道中、うちの従業員が営業状態を聞こうと、電話をかけると、

店名も名乗らず、お友達に話すように、「待ってる待ってる、いいよ、おいでー。」というような対応wwで、

まあ、サービスがどうのこうのと気にするような方は、行かない方がいいです。(笑)

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山間部の傾斜地にある風情のある古民家というより、古い民家に、里味庵はあります。

飲食スペースも、個人宅の居間や縁側を繋げ広げた空間で、普通に人に家です(笑)。

今は知る人も少ないだろうけど、昔行った、会津喜多方ラーメンの坂内食堂の居間を思い出した。

(支店の一つもないころの本店の家です)

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ただ、縁側の戸を開けると、見晴らしも良く、ロケーションのいい場所です。

何より、唯一無二のここでしか食べることのできない蕎麦があるのですから、

その他のことはどおーでもいいんです。

この時点で、強烈な最強のコンテンツとはこういうことだなとしみじみ思いました。

 

大将が出てきて、粗挽きと中挽きのブレンドのそば粉で、すぐに打ってくれました。

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私も、プチそば打ち修業した身ですので、何が難しいのかポイントはすぐにわかりました。

これだけの粗いそば粉を十割で、いとも簡単に打ってのける大将の腕、正直凄いです。

後で、お弟子さんに聞いても、この粗挽きの蕎麦は、大将しか打てないとのこと。

 

二八の喉越しや食感ももちろんいいですし、好みのわかれるところですが、

里見庵は十割。しかも、超粗挽きの蕎麦粉で打った蕎麦が味わえます。

 

そばという穀物の味を、最大限味わうために、常識にとらわれず、追及していった形が

この先にありました。

 

里味庵の世界観

麺つゆは、一応出されます。

しかし、常連さんのほとんどは、それを使わないそうです。

私たちも、味の確認ぐらいで、麺つゆは使いませんでした。

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何で食べるかというと、

「醤油」と「塩」です。

常連さんは、醤油派か塩派かの、どちらかに分かれるそうです。

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しかし、醤油といっても、ただの醤油ではありません。

大将が醤油醸造元にて指示して開発してもらった、蕎麦専用の醤油です。

薄口醤油の塩分を少し落としたような印象の醤油で、九州らしく少し甘味もあるのですが、

これを、蕎麦にチョンとかけ、辛味大根と一緒に、食べると・・・・・

 

「蕎麦!」

 

なんとも、蕎麦を際立たせてくれる食べ方なのです!?

蕎麦の味がくっきりと際立ち、粗挽きの蕎麦の旨味が口の中で広がるのです。

辛味大根がまたいいアクセントとなって、味を引き立たせます。

 

これは、美味い!

箸が進みます。普通に蕎麦は好きだけど、これは、凄い。

しかし、もっと驚いたのは、この醤油でそばを食べていたあと、

試しに麺つゆで、食べると・・・・・・・

 

「麺つゆ!」

 

よくありがちな西日本・九州・山口では珍しくない麺つゆの味ですが、

(関東は濃いですからね)

今まで食べてきた蕎麦の味が、いかに、麺つゆの味だったのかというのが、はっきりとわかります。

蕎麦を食べてたつもりが、実は、「麺つゆ味の麺」を食べてたという感じでしょうか、

そんな風に感じるほど、この醤油で食べた蕎麦は凄いのです。

 

もう一つの「塩」、これも、なかなか凄い。

大きな岩塩の塊とおろしがねがテーブルに置いてあり、

これを擦って塩をかけて食べるのですが、

玄妙ですね。蕎麦の旨味を極シンプルに際立たせてくれます。美味い。

 

蕎麦粉ひとつ、大将のこだわりが貫かれています。

常識に縛られず、世間で言われている「挽きたての蕎麦粉」の落とし穴を見事に指摘し、

そのために、粉に寝かす時間をおいたりするなど、

そのこだわりようは、お弟子さん曰く、「ちょっと、おかしい」(笑)だそうです。

そんな大将のこだわり蕎麦は、ここでしか食べられません。

 

佐賀 「里見庵」、調べれば行けます。ぜひ、どうぞ。

 

常識にとらわれない、こだわる姿勢のその先

物事には段階ってありますが、

始めるときは、無知でいいって思うことはたくさんあります。

常識にとらわれていたら、スタートアップもできないでしょうし、

そもそもトライしていないことも多いでしょう。

 

ただ、その後、そのステージに合わせて勉強し、スキルアップし、

目的や責任の変化とともに自分や事業の立ち位置なども、

変えてゆかねばなりません。

 

不易流行

10年前、呼子に来た時とは、見た目の印象も違いますが、

自分の中での印象も変わりました。

10年前、梅乃葉に来られていたお客様と、

今、来られているお客様の来店時の期待感や、事前情報など全く違います。

もちろん、時代のニーズも違います。

 

こういった、一見流流変化することに対応すべきことと、

変わらず、自分やお店が使命として掲げ、

愚直に追いかけていくことがあります。

 

その姿勢は、この先10年20年と、ぶれることなく持ち続け、

来店したお客様に、感じて頂けるよう今後も頑張りたいと思います。

 

そう強く、感じた視察研修でした。

須佐、梅乃葉は、決して呼子にはない、

山口県、須佐のイカ屋です!

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