山口県の旅先にて天然殻付きの「アカウニ」を食べる体験

土井善晴さんが来られました!

先日、NHK「みんなのきょうの料理」などではおなじみの料理研究家「土井善晴」さんが来られました。

うちの奥さんもスタッフもみんな、先生のレシピで作っているレパートリーを必ず1つや2つ持っているっていう事が凄いですよね。

素敵な方でした。

当店のウニを目当てに、取材で来られたのですが、(いろんなお話を聞けて、私のほうがもっと取材したいくらいでしたが。。。)活ウニや活イカなど、楽しんで頂けました!

教えていただいた中で、一番「そうなんだ!」って思ったのが、こういう生きた活ウニをフランスでも食べているってことでした。

丸っと生で、牡蠣のように氷の上に並べて提供されるそうで、寿司ネタ以外のウニの生食は、日本人くらいしか食べないくらいにぼんやりと思っていましたので、ちょっと驚きでしたw。

 

梅乃葉の活ウニは2008年から

梅乃葉の古いお客様やファンの方にはおなじみなんですが、梅乃葉が天然の活ウニを提供し始めたのが2008年なので、かれこれ、15年くらいになります。

「黒うに」と呼ぶムラサキウニ(3-5月)は、繁殖力も旺盛で、磯焼けの原因の一つとも言われているくらいたくさんいますが、夏のアカウニに関しては深刻な資源減少状態です。

北浦の天然アカウニ」(5-8月)

昔は、バンバン提供できていましたが、当時は価値を知る人もそう多くなく、程よく楽しんで頂ける商品として提供し続けていました。

その頃言われていた、「今後、減ってゆく」だろうという予測の通り、現在は、壊滅的に希少な存在となり、市場価格は5倍以上となって今も上がり続けています。

アカウニの特別感

アカウニの味わいは、本当に別格で、ウニ独特の磯の味わいの中にある優しい甘さ、クリーミーさが、小粒な身の中に包まれています。

対して黒ウニ(ムラサキウニ)は、正に磯の味、ウニらしい味という感じですが、成長の度合い、食べている海藻の種類にも影響を受けます。

なかなか、入荷も厳しく、幻の入荷となっていますが、まだまだシーズン中ですので、ちょいちょい仕入れられる予定です。入荷しましたらお知らせしますね。(活イカ活ウニ入荷情報より

北や南を含めたウニの種類の違いによる味わいの差は、好き好きですし、生態も全然違います。

個人的な意見で大変恐縮ですが、(昔から言ってることなんで)食べ比べてみても、アカウニの味わいこそ世界最高峰だと思っております。

 

梅乃葉の新事業

「キャベツウニ」ってご存知の方もいると思いますが、神奈川県の臼井さんという水産試験場の方が、数年前に世に広めたキャベツで育てるウニの養殖のことです。

キャベツを食べさすっていうのは、昔から知られていて、うちが2008年にはじめた時には、漁師から教えてもらっていたので、うちでも、テレビで騒がれる随分前からキャベツ等を食べさせたりしていたんですね。

おそらく、もっと、大昔に、研究された方がいて、キャベツを食べさすという研究データが水産関係の資料には残っていて関係者の間では知られていた事実だったのだと思います。それが、神奈川の事例にも繋がったのでしょう。

ただですね、15年くらいウニと付き合ってきましたが、育てると言っても黒ウニ(ムラサキウニ)は、比較的強く、生かしやすいのですが、アカウニを生かすのは、本当に難しく、繊細で、今でも、注意をしていないと、死んでしまうことも多いのです。

ウニの蓄養

資源減少著しいこのアカウニを、今後なんとか増やしてゆくために取り組む、梅乃葉の新事業があります。

ウニの蓄養事業です。(海から痩せたウニを集め、水槽設備で、餌を与え大きく育てる養殖事業です)

詳しくは、又、ご報告しますが、磯焼けの解消という藻場再生の取り組みというだけでなく、天然のウニのために養殖ウニを育てるという海へのアプローチです。育てるのはアカウニではなく、黒ウニ(ムラサキウニ)です。(これには様々な理由があります)

多くの支援者・協力企業とともに、そんな事業を既に始めております。

 

お客様と育む梅乃葉の新たなフェーズへ

活イカ事業を始めてから20年。

活ウニ提供開始から15年。

梅乃葉の活イカも活ウニも、お客様とともに育んできた事業であり食文化です。

本年を節目として、新たな養殖(蓄養)ウニを育て提供する事業を、梅乃葉の昔からおられるファンの方々や、今も楽しんでくださっているウニ好きのファンの方と一緒に、この取り組みを育んでゆきたいと思っています。

土井先生からも、「本当になんとかしていかないと!」と海が抱える課題を解決してゆくことにエールを頂き、決意を新たにしているところです。

感謝!

 

コロナ明け、ゴールデンウィークの感謝!活イカも漁獲始動!!

ゴールデンウィークご来店の感謝!

本当に本当に、多くの方にご来店頂き、感謝しております。

ありがとうございました。

コロナ感染拡大もほぼほぼ終息し、5類移行も始まりました。堰を切ったように、ご旅行・お出かけの勢いがゴールデンウィークに集中しました。

コロナ禍には、こういった連休は、逆にお休みさせて頂くことも多かったのですが、この度のゴールデンウィーク期間中は、1日だけお休みし、後は、ずっと営業という体制で臨みました。

尋常でないイカ不漁状況からのゴールデンウィークへ!

始まるギリギリまで、活イカの入荷状況は、思わしくなく、どのような量を提供できるか、全く予想もできておりませんでしたが、皆様の期待とともに、活イカが入荷できるように徐々になってきて、(もちろん、全てのご来店の方に提供できたわけではありませんが)多くの方にご提供でき、当初の心配したレベルの不漁状況でなかったことに関しては、良かったと安堵いたしました。

振り返ると、昨年はそもそも相当なイカ不漁状況が断続的に続き、特に昨年冬からこの春ころまではひどく、コロナによって散々ダメージを受けてきたところに、エネルギー関連のコストも跳ね上がり、仕入れ原材料は、毎月のように何かが値上げされている中での、この不漁状況は、まさに弱り目に祟り目、経営的な影響は相当なものでした。

そんな中での、ゴールデンウィーク、そして、活イカの入荷です。多くのお客様への対応は、少ないマンパワーでは、十分なサービスの提供・接客とは言えませんでしたが、来てくださるお客様1組1組に対して、感謝の思いでした。

得てして、こういった連休の場合、当店では、かなりお待たせいたしますので(2~3時間待ち)、イライラしてしまう方も少なくないのが普通なのですが、ありがたいことに、近年は、いやこの度は特に、「待つのはわかっている」とおっしゃられる方が多く、それでも「待ったかいがあった」とおっしゃって頂ける時には、もう、言葉もなく、ひたすら感謝です。

ありがとうございました。

遠方より、ご家族で来られた方も多く、限られた萩観光の旅程の中で、立地の不便さからくるアクセスも悪い当店に、待ち時間を含めれば相当な時間を費やした上での昼食です。(中にはほぼ夕食になってしまった方も)

ありがとうございました。

以前のテレビ番組で紹介された録画映像を何度も見て予習されてこられたというご家族の方もおられました。活イカを提供できて、本当に良かったです。

ありがとうございました。

 

本当に、当店に来てくださるお客様は、素敵な方が多いのです。

1組1組、本当はもっとおしゃべりしたいし、お伝えしたいイカの楽しみ方や、(ムダに長い)店長のうんちくで楽しい時間を過ごして頂きたい思いでいっぱいですが、営業後半にはスタッフの疲労も多く、集中力も限界になります。想定していないトラブルもあります。

そんな中での、素敵な出会いに、感謝です。

又のご来店をお待ちしております。

 

 

瑞風を振り返り

瑞風に乗ってまいりました。

もう、4ヶ月前になりますが、トワイライトエクスプレス瑞風の山陽上りコースに、父と一緒に乗ってまいりました。

JR西日本の高級クルーズトレインで、山陰山陽の沿線の景観を堪能しながら最高級のおもてなし・サービス、ミシュランシェフ監修の料理、各地の立ち寄り観光を楽しめる周遊型寝台列車です。

ご縁あって、梅乃葉は、山陰下りコース時の2日目の朝食の提供を担っております。

ご提供する朝食は、長年、私がしたためていた、本来はお昼のお客様に「もっと、こういう楽しみ方で食べて頂きたい。」とやりたくてもお昼の営業ではなかなかできないお料理の形と献立で、この地に来なければ味わえないお食事をお出ししたいという気持ちのもと、萩・須佐・山口の素材で提供しています。

瑞風に乗せていただき、ミシュランシェフや沿線シェフ監修の料理をいただき、瑞風クルーのサービスを受けながら、父と話すのは商売・料理の話ばかり(笑)。

立ち位置を変えて、様々なコンセプトのもと構成された他店の献立と味わいを堪能する体験はやはり面白く、学びは多かったです。ただ、瑞風に乗せて頂いた機会は何より瑞風のサービスの中で、当店の料理はどう存在するべきかを練り込む機会と思っておりましたが、結局、今のままの方向性をブレずに、クオリティと安定性を向上させることだと更に思いを強くしました。

「ここに来なければ味わえない体験」

これは、当店にとって昼食も朝食も同じです。

もちろん、瑞風の朝食献立は、仕込みにも提供にも手間がかかるため、お昼の営業では同じことはできませんが、瑞風への朝食提供を通して、お昼の仕事の品質が上がり、良い循環が生まれているのも確かです。

良い機会をいただきました。

感謝です。

何より、父を連れて行けました。

今まで梅乃葉を支えてきた父に、仕事で瑞風に乗る機会をつくることができて、しみじみと沿線の旅を味わえました。

 

さて、本年最後に、瑞風での体験を通して感じたのは、新たな学びやモチベーションを得て、結局、いつも当店に来てくださっているお客様に、

「どうしたら、もっと、楽しんでいただけるか!?」

ということです。

来年初頭から、告知してゆきますが、大変多くのお客様からお声を頂いている梅乃葉の海鮮だしの素「海賊だし」が姿を現します。

様々な料理に化けて、登場しますのでご期待ください。

 

 

暗い話はまだまだ多く、普段の生活が変わってしまっている方もいらっしゃいますが、梅乃葉が生活の中で、

「今日は須佐まで行って梅乃葉で楽しもう!」と、

明るい日常のひとときを提供する場になるよう、2023年も尽力してゆきたいと思います。

本年のご愛顧、誠にありがとうございます。

来年も、宜しくお願い致します。

 

2022年の振り返りと今後

2022年を振り返り

コロナ対応の変化

現在、コロナ規制も緩やかになってきていますが、本年初頭はまだまだ厳しい時期でした。

まん延防止等重点措置の適用が山口県でも決まって、当店の感染拡大防止対策も継続しておりましたので、大変、お客様にもご不便をおかけしておりました。

しかし、GW中の5月1日からは、入店時の記帳を止めるなど、徐々にその対応も緩和してゆくようになったのですが、ここで問題が出てきました。

ありがたいことに、行政の経済対策が様々行われはじめ、人流がお陰様で復調し、当店にも多くのお客様が増えてきたのですが、その勢いが大きく、サービス対応が困難になってきました。

サービス・システムの改定

そこで、お水やお茶のセルフサービス化や、LINEで事前の順番取りのシステムを停止、営業時間中の電話対応の原則停止・・・等など、お客様へのご協力を得ながら対応を進めてきました。

原料・経費コスト価格の上昇

今後も続くと言われている電気ガスなどのエネルギーコストの上昇、仕入全般にわたり、何度も価格が上がってきているため、7月にはメニューの価格改定を行わさせて頂きました。

水産資源の減少

活イカ・のどぐろ・うになどの不漁の影響が大きく、対応が大変厳しくなてきました。

■活イカ

特に、活イカに関しては、本年夏お盆には実施しましたが、提供制限を今後も一定の条件のもと行うことも出てくると思われます。

提供制限とは、多くのお客様がご来店くださる連休等で活イカの入荷が少ない時に、取り置きの数を人数の半分までの数に制限させて頂く措置です。(実施時はその都度告知いたします)

■のどぐろ

又、のどぐろに関しては、異常不漁状態が今後も続く限り、異次元のような市場価格の高騰となっています。流石にそこまでの価格上昇を踏まえた料理の提供は困難ですので、年明け早々には一旦、提供が止まる状況です。

■活うに

春の3月後半から提供開始するクロウニ(ムラサキウニ)は、今後も提供は大丈夫ですが、5月から夏に出るアカウニは、不漁状況が今後も続くと思われます。その価値は現在も上昇し続け、市場では海外からの引き合いも強く、資源が少ないのに、価格が上昇し続けているという異常事態にもなっています。

来年からのさらなる挑戦!

本年は、お伝えしきれない取り組みや出来事がありました。

コロナウィルスやロシア-ウクライナ戦争の影響にしても、目の前のことばかり気にしていては、世の中の変化に対応できなくなってしまいます。

新しい出会いもありました。

旧知の方のお声がけやアドバイスによって、新たな目標や展開を想像することもできました。

各資源の不漁は今に始まったことではないので、どうやったら今後もお客様に楽しんでいただけるかは、以前より、お店の対応を考えながら進めてきました。

様々な挑戦・経験をしたお陰で、当店レベルの一般的な小さな飲食店にしては、似つかわしくない、高品質・高機能な機器が当店には揃っていたり、優れたパートナー事業者や生産者との繋がりもあります。

その御蔭で、まだまだ、お客様に提供して喜んでもらいたい、料理・素材やサービスはありますので、ご来店されるお客様に今後も楽しんで頂きたい思いで一杯です。

なかなか、情報発信ができず、いつも来てくださるお客様の中には、来られるタイミングを失っていらっしゃる方も多いかと思い、反省しております。

年末になり特に思うのは、本当に遠方の当店に、いつも来てくださる素敵なお客様への感謝の気持ちです。

コロナであろうが、不漁であろうが、いつも応援してくれ、声をかけてくださる笑顔に、「あ~お店をやってて良かった~」としみじみ思わさせて頂きます。

いつもありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。

 

来年からの、梅乃葉の進化・挑戦を、又、楽しんでくださいね!

感謝!