あっという間に1月も終わり、
気が付いたら、ブログ更新をすっかりできていなかったので、
ちょっと、近況を。
梅乃葉的クラウド化進行中
この1か月というもの、梅乃葉のバックエンドシステムを改革中でした。
ずいぶん前に、当店にこられた、ムッシュ熊谷喜八シェフにも一見して見抜かれた梅乃葉の弱点。
それは、私のキャパの範囲で、事業が留まっているというご指摘でした。
組織化されていない。
平たく言えば、私が全部やってしまうということですね。
もちろん、分業・分担などはしていますが、
事業の課題の抽出から対策・解決への意思決定、開発・営業・広報・経理・労務すべて私自身がやっています。
しかし、そんなこと個人事業主や家族商売の方にとってみれば、めちゃくちゃ当たり前のことなんですが、
そこから、1歩も2歩も抜け出せるかどうかが、このたびの変化すべきポイントで、
事業のための集中すべき時間を作るというのが、最大の目的です。
で、様々なツールを活用してるので、それをちょっと紹介します。
超絶便利!!
クラウド付箋サービス「lino」
自分のTODOを、デスクのPCの周辺に付箋で貼ったり、喫緊の課題や事業の進行について書いたメモ・ノートがあったとしても、
職業柄というのもあるんですが、常に持ち歩くわけもなく、別のPCの前に行けばその付箋はありませんし、
結局、忘れ去られたり、後回しにしたりと、今まで、思うとおりのスケジュールで仕事を進められることはありませんでした。
しかし、これが、結構変わったんです。
linoのサービス開始間もないころにアカウントをとってはみたものの、実はまったく使わなかったんです。
というのも、当時のパソコンのスペック、ブラウザのレスポンス速度、スマホの存在というのが、現在のような快適ではなかったからなのですが、
それが、今、どうでしょう、どこにいてもどの場所にいても、PC上、スマホからもストレスなく確認できるのですから。
おかげで、この数か月、TODOに追われっぱなしです。
振り返れば、もちろん、スケジュール通り進んでいるので、面白いんですけどね。
私の場合、付箋を貼るボードの画像を用意し、優先順位と時間軸で分類して付箋を貼るだけです。
ともかく、何が、いいかって、①今自分がやるべきことを明確に身近に表示しておけるということで重宝しています。
今では、思いついたアイデアやプロジェクトだけではなく、
マトリックスとして、視覚的にすぐ分析できるように、使ったり、しています。
従業員内で共有活用するには、もうちょっと従業員側のリテラシーが上がらなければ難しいのですが、
リアルでいちいち会議をしなくても、お互いの都合のいい時間を使って、ワークショップ的な使い方もできるので、
いろんなシーンというか、団体活動でも使えますよね。
是非、いじってみてください。色んな機能が無料で使えます。
googleカレンダーで業務を共有
もうこれは、何が凄いって、色んなカレンダーアプリと同期させれるという点で、googleカレンダーなんですけど、
タブレットでは、使用感のいい、他のカレンダーソフトに同期させて使っています。
上記linoもgoogleカレンダーへの連動もあるようです。
これに、梅乃葉の予約スケジュールを入れて、誰もがどの場所からも予約(注文)状況を把握・共有できるようにしています。
本来、(今でも)うちの予約スケジュールは紙ベースの台帳です。
その内容をgoogleカレンダーに転記し、タブレットで操作・閲覧します。
もちろん、外出先からもスマホで可能です。
こういうスケジュール管理を個人で使う分には、自分の裁量で、使い方を決めればいいのですが、
うちの場合、PCやタブレットに文字入力することすらできない従業員が9割という中で、
この入力作業を私自身がやっていてはそれこそ本末転倒。それだけで、時間を奪われてしまいます。
それを、とりあえず今は、1割のスタッフのルーチンワークとしながら、
全員でスケジュールを把握するということに取り組んでいます。
情報の共有は、組織には必須の前提。取り立ててこういった情報の共有は企業には珍しくないでしょうけど、
ポイントは、小さな田舎の飲食店レベルの事業者がやって意味があるのかという点です。
ホワイトボードに大きく転記すればいいんじゃね?
単一のオフィスや作業場ならそれでいいと思います。
うちの場合、厨房が2つあったり、作業場は複数あります。外出先で予約の確認が必要なことも多いのです。
これは、かなり以前からやりたかったことで、
こういった環境を自分の時間を割かずに以前から作りたかったのです。
うちの規模と業務の形態だから意味のある共有かもしれませんが、
従業員が指示したことだけしかわからない・できない状態という体制、
従業員の「考える」スキルを組み込んでいない仕事の仕方、
ここが、最大のロスでした。
②自分以外の「考える」能力を活かすための環境(情報の共有)を作れる。
もちろん、能力も意欲もあるのに、活かしきれていないということは気づいていました。
様々なきっかけもあって、
目標の共有はもちろん、日々のスケジュールを共有する方法の1つに、このクラウドカレンダーを使っています。
こういったシステムを活用している料亭の事例を以前見たのですが、
フロントで入力されたお客さま情報や予約内容そして料理内容を、厨房内の大き目のデバイスで、共有して活用している映像は、
まさに自分がやりたかったこと。ただ、こういうのって、めちゃめちゃお金がかかるシステムなんですけどね。
それを、googleさんを使って無料でやっちゃおうってのが、工夫のしどころです。(笑)
こういった環境で1年たった時の変化が今から楽しみです。
クラウドPOSレジ
国の支援事業の関係もあって、細やかな販売データを蓄積しなければならないというきっかけはあったのですが、
今までも、普通に、お客様の販売データ(来店者数・売れ筋・季節動向などなど)を計測していました。
しかし、より、細やかに分析し、新たな改善点や、お客様の動向を理解するためにも、POSレジの導入を検討していました。
ただ、めちゃめちゃ高いんですよね。100万とか平気で見積もり上がってきます。
しかし、時代は、すごいですね。
既存タブレットを使った、POSレジアプリというものが、すでに業界には登場し、急速に広がっています。
有名なところで、なんといっても、ユビレジ。
しかも無料プランあり。かなり、使いやすいです。飲食店には抜群にマッチしたインターフェイスとシステムです。
キャッシャーとプリンターを揃えれば(ユビレジはエクステンションという機器も必要)POSレジとしてすぐに使えます。
レジデータは、クラウド化されていて、事務所からPCで現在の売り上げも確認できますし、売り上げ動向などの分析データも見れると、便利です。
ただ、無料プランは3日間分しかデータの閲覧ができません。商品ごとのCSVエクスポートもできません。ipadのみ対応です。(ここらが引っかかって、うちは見送りました。)
で、そこに昨年末にサービスインした、リクルートさんの、Airレジ。
完全無料!現在もipadやキャッシャーやプリンターがセットで無料で当たるキャンペーンもしています。
第1弾のキャンペーンでこのたび、当選いたしました!(最新ipadに加え、ハード機器が無料です!!)
しかし、ご辞退申し上げたのです。(先方は、まあ、1度使ってからと勧めてくれていますが。。。)
いろいろ、難はあったのですが、機能として、商品ごとの販売データを取得できないという点がその理由です。
POSレジにする目的でもありますから。(ipadが目的ではないので)
で、結局何にするのか?
暫定的ではありますが、Squareで、導入を進めています。
スマートクレジットとでも言うんですか?スマホをクレジットカードのリーダーにできるサービスですが、
レジ機能がちゃんとついていまして、作ったのは、Twitter創業者のジャック・ドーシー氏。
ipad推奨ですが、Androidでも使えます。もちろん、無料です。
商品の販売データも取得できます。少々、インターフェイスがコンパクト&シンプルすぎて使い勝手の悪さを感じますが、
現時点ではこちらでと考えています。
POSとしての多様なデータを、クラウド内にデータを無料・無期限で保存してくれますし、
離れた場所で、他の端末で会計をしたり、カード決済をすることもできます。
何より、ぺーパーレスです。(お店側にとって)
どのサービスも一長一短があるし、各社サービス・機能改善は徐々に進んでいます。
見極めてサービスに組み込む予定です。
クラウド会計
もうもはや、この会計ソフトに関しては言いたいことは山ほどあるのですが、
かの「弥生会計」が嫌で嫌でしょうがなかったんです。
何が嫌だって、ちょっとググると皆同じことを言われていますが、
運営会社の姿勢です。
バージョン・アップの更新を促す営業をするのは企業ですから当然です。
ただ、そのやり方が、巧妙且つえげつない。
シェアTOPにおごる殿様商売的「嫌ならやめれば?その代わり今のそのソフト機能しなくなるよ」的な姿勢です。
使用PC数単位のパッケージ金額、PCの代替えによるインストールのし直しも、巧妙にできないように仕組んでいます。(←やればわかります。)
営業の電話も、強気です。
とことん頭にきますが、私が、一番良くないと思うのが、
会計事務所と商工会などの会計・税務サポートを直接やっているところです。
こういうところは、なんの疑いもなく必要経費として、
無意識下で会計ソフトのバージョン・アップをします。
そして、顧客・事業者に推奨してきます。
その負担や利便性など考えたことないのではないか?ということです。
その事業者に最適な会計業務に見合うシステムはないのか、
考える機会すら最早なくなっているのではないかと思います。
で、こういうソフトウェア業界の背景もあって最近増えてくているのがクラウド会計です。
結論から言うと、現在梅乃葉では無料のクラウド会計システムを使っています。
こちら→あんしん経営システム
2013-0209追記:注意!2014年4月より有料化となりました。
これを機に、freeeへの移行を検討しています。
消費税変更に無料対応です。
これにしたのは、簿記の形をそのまま反映した入力画面で、操作を新しく覚えなおすこともなく移行できると踏んだからです。
で、先月より、完全に移行し、利用しています。会計事務所には、ログインパスを教えればそのまま見てもらえますし、
別のユーザアカウントも作れ、従業員用に作ることもできます。(別の場所・pcで作業もできます。)
クラウド会計は、調べれば、結構たくさんあります。
かなり少ない費用負担で、サポートを受けつつ利用できるところもあります。
また、当初、うちも導入予定だったのが、freeeです。(無料プランあり)
簿記の形をしないで、わかりやすく、又、銀行口座に関しては、自動的に仕訳に変換してくれ、
インポート・エクスポート機能も多様。元googleのエンジニアの方が創業されたサービスです。
上記のクラウドレジ「ユビレジ」にも連動できるサービスもあり、
当初は、これを狙っていたのですが、思うデータの扱いができなかったため、断念しました。
freeeの創業の目的も、中小事業者のこういったバックエンド業務をいかに効率化し、時間を短縮させて、
本業にかける時間を作ることとされていました。
まさに、ホントその通り!
アウトソーシングできるほどの経費の余裕があれば、そうすればいいのですが、
我々中小というより、零細事業者にとっては、こういった業務全般自らやらなくてはならない中、
昨今のクラウドツールは、まさに、助け舟です。
クラウドタイムレコーダー
「タイムレコポン」
もう、頭が下がりますね。永久無料のクラウド型タイムレコーダーサービスです。
ペーパーレスですし、もちろん、データをDLして、表計算に組み込めますので、給与計算ソフトにも連動は可能です。
タイムカードが、最近は、ICカードやスマホでできちゃうサービスは増えてきていましたが、金額も高かったり、ランニングコストもかかるなどのデメリットも多いのです。
タイムレコポンは、そんなみみっちい我々零細事業者の味方です。
③経理や分析データに加工しやすい、細やかな形で自動集積できる。
レジや会計・タイムレコーダーといったクラウドサービスの導入は、ペーパーレスも進めますが、
こういった細やかなデータの集積が楽になり、その後の加工(エクセルへの入力など)がスムーズになります。
手作業だった部分も多くありましたが、ぐっと楽になりました。人に教えづらく、代わりにやってもらうことが困難だったことも、
場所を問わず、分業することが可能になり、現場にいなくとも把握し、作業することもできるようになりました。
本業に集中する時間を作るために、いかに、情報やツールを共有化し、組織化を図るか!?
④共有は組織化の第一歩。
この効果を本年は試行する年となります。
これからが楽しみです。
クラウドサービスは、たくさんあります。
PC上のストレージサービスだけじゃありません。
名刺管理アプリなんてあれは便利です。
蛇足
ビジネスフォン化!?
うちは、建屋が長いために、家庭用電話機では子機のワイヤレスが届かないため、
分岐させて使っています。
そのため、子機間通話(内線)ができず、業務上支障をきたしていました。
そこで、ビジネスフォンの導入を検討していたんですが、
これまた、いろいろあるんですね。
IPフォンを活用したものもありますし、外出先のスマホに内線として飛ばすこともできたりなんて、
すっごい便利だなーとは思いましたが、かなりの費用が掛かったり、光電話でなければ使えなかったり、
まあ、その辺はあきらめました。
スタートアップなら、全部スカイプで済ますのに。。。
せめて、須佐に光ケーブルが来てくれていたら・・・・・・・・・・・・。
もっと、いろいろな活用方法があるのにと、誰かにぼやいておきます(笑)。
以上、近況報告です。
長々と、ありがとうございました。