本日は海の森をつくる会の役員会議。
ちょいと、本年の活動を振り返りました。
つい先日、須佐「海の森をつくる会」の活動がありました。
地元の須佐中学校の生徒・先生、
漁師の皆さん、会の面々にて、
種蒔きをしました。
種蒔きといっても、
「海の森」だけに、海の中へですし、
種ではなく、
胞子を持ち始めた海藻(アラメ)の枝に、
麻ひもで石の重りを結わえたものでです。
(シードリングストーン方式と呼びます。)
シードリングストーン方式
ペイントストーン
石は、海の石を使っています。
夏に、小学生によって、石に好きな絵を書いてもらっています。
環境にやさしい絵の具を使っています。
その絵付けされた石を、今度は、中学校に持って行き、
中学生に紐を結んでもらうんですが、
その時、この方式についてと、環境についての講演をいたしました。
セミナー
講師は、先進地の高校の先生とそこの生徒さん(高校生)。
漁師の方や会の面々も一緒に聞きましたが、
本当にわかりやすく説明してくれました。
ウニ駆除
そして、別の日には、
試験ポイント周辺を地元ダイバーさんや漁師の方の協力の下、
ウニの駆除です。
ウニは、海藻を食べます。
せっかく再生仕掛けた若い芽を食べられては、
台無しです。
でも、そのエリアを駆除しても、
周辺からウニは、移動(もしくは流れてきたり)してこないのか!?
環境の条件の違いで、若干の影響はあるでしょうけど、
ほとんど、移動はないそうです。
それを、先進地では、複数年の検証結果を、
数字で見せて下さいました。
こういう取り組みは、実証結果を海の上からは見れないので、
地元ダイビングショップ「須佐リゾートダイビングサービス」さんの協力で、
経過観察として撮影して頂き、今後もお願いしてゆく予定です。
シードリングストーン設置
そして、先日。
貝類の餌でもあるカジメやアラメが胞子(遊走子)を持ち始めたという連絡を受け、
当日の朝から採取です。(この度は、アラメが中心でした。)
根から引き抜いたりしないように、新芽の出処を残しつつ切り取ったり、
既に浮遊して海に投げ出されたものなどを採取します。
ここでも、地元漁師さんと、ダイバーさんにお願いして取って頂きました。
陸に上げ、空気に触れさせると、その刺激で、
次に海に入った時、胞子が出やすいということです。
地元中学生の集合。
以前、石に結わえた紐を今度は、海藻に結わえます。
漁船に載って、いざ、設置ポイントへ!
どんどん、蒔きます。
紐がはずれたものもあったり、
ほぼ、同じ場所に投下されたり(笑)、
そんなこんな種蒔きでしたが、
どうも、ダイバーさんが後でフォローして頂いたようでした。
(ありがとうございます。)
みんなで、記念撮影!
結構いたはずの漁師さんがほとんどおられなくなっていました。
シャイな漁師さんは、毎度、こうやってフェードアウトします。
飲み会でもそうです。(グダグダになってバラバラに帰ってゆきますwww)
関係ないんですが、別件でテレビ局の取材も来ていました。
ともかく、海の森をつくる会としては、
最初の取り組みです。
来年、新芽が出てくれることを祈り、
又、それが育ってゆくことを祈るような気持ちの活動でした。
藻場再生へのアプローチは、様々な方法があります。
どれも、効果的な一面を持っていますし、
環境によっては、別の切り口から取り組んだほうがいい場合もあるかもしれません。
ただ、
須佐湾って、そもそも、綺麗なんですよ。
栄養分も、山から川を経て、結構豊かな面もありますが、
実際、磯焼けは進んでいますし、
藻場やそこに住んでいた魚介類も減っています。
根絶やしに藻場がなくなりつつあるのか!?と思えば、
今年は、とある藻が異常に生えすぎて、潜りの漁の邪魔となって漁獲にも影響が出る始末。
その藻が食べられるものならまだしも、人も貝も食べない藻とあっては、たちが悪すぎます。
ただ、例え、食べられない海藻であったとしても、海藻の育つ「海の栄養」はなくなってはいないとも言えます。
他の地同様、田舎とはいえ河川や海岸は護岸工事してあります。
コンクリートで遮られた不自然さが環境に与える影響は、もちろんあると思います。
昔の海の状態とは違っても当たり前かもしれませんが、
その上で、やれることも色々あると思います。
海への取り組みだけでなく、山への取り組みもこれからです。
相手は自然ですからね、カンフル剤も時には必要かもしれませんが、
根本的な循環環境を考えながら、皆でトライしていこうと思います。