山形アル・ケッチァーノ奥田正行氏-来萩
当初、私が持っていた奥田シェフの情報というか印象は、
「山形県庄内地区を日本の食の都としてブランディングした立役者」というイメージの方が強く、
料理人としては、「地産地消を積極的に取り入れるイタリア料理のシェフ」といった程度のサラッとしたものでした。
(↑後に認識の甘さに衝撃を受けたのですが。。。)
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奥田シェフに調理をして頂きながらの交流会
こんなイベントが3/28ありました。
場所は萩の千代さんの厨房です。
自分のお店以外の厨房に入るのは、そうそうあることじゃありませんし、
プロの料理人が調理する行程を、側で見ることなどありませんからね。
それも、今話題の奥田シェフのです。
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シェフは、地の野菜や素材に詳しく生産者との関係を強く持たれていて、
素材を活かすために、シンプルな料理法を得意としている・・・・・・。
この程度の認識でしかなかったのですが、
程度・レベルの違いはあれど、同じような取り組みをしている自負が多少なりとあったので、
教えを請いたいと思い参加しました。
それが、コレほどまでに「素材を活かす料理」の奥の深さを知ることになろうとは思いもよりませんでした。
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考察力・素材に対する勉強・柔軟な発想など、
私が、3~5つ程度の方向から素材や料理を考えているとしてたら、シェフの考察は、
それに加えて、3次元の発想(まったく違うベクトル軸)でも深く探求しており、
更に、それとは別のスケールの視点をも実践していて、
一朝一夕に積み重ねられたものでないことは直ぐに感じ取れました。
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目から鱗が。。。。。。。。
最初は、シェフのやることに、
え?・・・・・・・・・・は?・・・・・・・・・・・・ん?
いいのか?それ?
といった印象で調理はサクサク進みます。
シェフは前もって指定された素材にレシピを考えてから来たわけでなく、
当日、素材を買出しに道の駅しーまーとに行ってから、献立を発想されたとのこと、
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調理中、狙いや考え方を説明されますが、
その度に、目から鱗がほろりと落ちます。
探ろうとしますが、1手先は読めても、その先の2手3手先は引き出しの多さ・勉強の積み重ねを感じます。。
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試食の席では、もう夢中で理解に努めました。(笑)
なぜ、そう発想したのか、どの状態を狙ったのか、視点を共有したかったのです。
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しかし、衝撃の交流会は、夕方からのLa Ceibaでの懇親会で、更ならなる衝撃的で濃密なセッションとなったのです。
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La Ceiba での懇親会
懇親会では行政の方の手引きで席を推められ、シェフの横にずうずうしくも座らせて頂きました。
自分はこういう時に、絶対遠慮はしないと心に決めていますので、いけるならいくようにしています。
(本業のことですし、チャンスに対して遠慮するという愚行は、若かりし頃十分しましたから。)
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実は、この日の昼の仕事、予約や急な大きな仕事で本当は来れなかったのに、
身内が、「そんな機会があるなら是非行って勉強しておいで」と、
かなり無理をしてカバーしてくれたんです。
そのせいもあって、心には・・・・・・・・
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「絶対、盗んで帰るぞ!」
(笑)
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という意気込みがみなぎっていました。
シェフには見抜かれていましたがww、逆にそのおかげでかなりのノウハウを教えて頂きました。
濃密すぎて目から鱗はダダ漏れし、
頭の収納にはその場では整理しきれず、
手持ちのビデオを最初から最後までず~と(ほぼ、音声を狙って)撮り続けることで、スタックしておきました。
※ちなみにこのビデオ内容、冗談で言ってはいましたが、30万円以上の価値はホントにあります。(売りませんが。)
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昨年、熊谷喜八氏から受けたものとは、全然違うものでした。
良いとか悪いとか、レベルが高い低いとかでなく、
具体的なノウハウ、思考法、着眼点、マーケティング、マネージメント、
とっておきのレシピなどなど・・・・
経験に裏付けられた内容で結果まで出しているその秘密を、
よくぞここまで惜しげもなく教えて頂き感謝しきりでした!
一緒にいた萩の若手料理人たちも、感動の一時であったことを口々に漏らしていました。
「そのビデオノーカットで頼む!」とコピーを託されました(笑)
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調子にのって高いワインボトル何本か注文したのは、私です。
ごめんね。S本君。
言われなくても、それ以上のこと、きっちりやりますよ!
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2日目講演会
次の日はシェフの講演会。
行く予定ではなかったんですが、前日の話に出てきた一部の話題はこの中でやるよと言われたので、
これ又、無理して昼の仕事を抜け、参加することに。
改めて、前日の話をオーバーラップさせながら聞き入りました。
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前日シェフとのセッション中、頭に浮かんでいたことや、
今まで躊躇していたり、きっかけがなくてできなかったことが、
シェフの考えを聞いて、これはいける!お客さんは喜んでくれると思ったこと、
朝からどんどん湧き出ていて、正直講演より、それらを形にする作業に取り掛かりたかったんです。
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今日頂いた気付きを、今に活かそう!
頂いた気付きは、素材に対する考察の仕方・着眼点についてが多く、
それは今後料理に携わっていく者として一生勉強し、追いかけてゆくべきテーマだと思います。
今までやっていた考察を更に深く、生産者との関係をもっと高いレベルへと育み、
素材から得る感動をお客さんにシェアしてゆくこと。
今日からできることを少しづつ実践してゆきます。
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決して、今やってることが間違っていたということではなく、
考察の幅を広げ、生産者とのお互いの向上によって得る進化が、
今のうちの取り組みをブラッシュアップさせてくれるということです。
そう考えると、これからが面白くてたまりません。
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秋にもう一度来てくれると約束して頂けました。(←主催者側が本当に呼べるのかはわかりませんが。。。)
たくさんの宿題を置いていかれました。
やりますよ!
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S本氏他ふるさと萩食品協同組合-萩の地魚もったいないプロジェクトの皆様に感謝!
協力してくれた身内に感謝!
得難い機会でした。
ああ、
やっぱり俺って
ついてる!!