出会いの本末転倒

出会いのための仕事

多くのお客様に来店して頂く出会い。喜んで頂きたい。そのために奔走して下さった生産者の方にも喜んで頂きたい。

結構、そんな思いでここ数年頑張ってきました。

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特に、「須佐男命いか」とイカ釣り漁師の方との出会いは、自分に、「より、多くの人にこの活イカの味を伝える」という使命感を持つきっかけでもありました。インターネットPRに力を入れ始めたのもそのためです。未だ、その思いはもちろん持っています。

しかし、状況が変われば、その手法も柔軟に変えていかねばならないということを、このお盆を超えて痛感させて頂きました。

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胃を壊すストレス

暑さによる不具合

お盆の最中に胃腸を壊してしまいました。

そこに夏風邪もコラボしたようで、内蔵を集中していじめられました。(否、自分がいじめたんだな・・・)

8月に入り、この暑さ。冷却機器の調子もいまいち、活イカの水槽状態も当初悪く、お盆を前に既に焦りからストレスは起こっていました。(水槽は順調に回復しましたが・・・)

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尋常でない数のお客様と注文

そしてお盆前後、尋常でない数のお客様が連日訪れるようになると同時に、梅乃葉のもう一つの顔である仕出し業もピークに達していました。

声(仕出しの注文)をかけてくださるありがたさ、何とか期待に応えたいがゆえ受けてしまい、限界ギリギリまでお断りできないことも最近多くなってきました。

そうすると、必然的に全ての仕事面に余裕というものはなくなってきます。時には追いつかない焦燥感はスタッフのミスも生み、こういう時に限ってオーダー内容の急遽の変更等も舞い込みます。

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人材不足

もう1つ痛かったのが、慢性的な人材不足。地方田舎のハンデの中で、かなり大きなウェイトを占めているのが、人材不足だと思いますが、例にもれなく、ウチも長く悩んでいます。

現在いるスタッフは皆、一生懸命やってくれています。しかし、一生懸命と得手不得手は別のものです。特にお客様と接するホールの仕事は様々なものを当然要求されます。

余裕のない状況は、スタッフ相互のフォローも薄くなり、キャリアのない、高校生のアルバイトなどは集中力も欠いてきます。当方の指導も浅くなってしまいがちです。

当方にとっては、忙しいかもしれないけど、お客様にとっては、大切な休日のランチ、その日に2度も3度も昼食は取りませんし、その後2度3度も来店してくれるかどうかはその時の内容次第です。

こちらの不手際は、その時だけのものではなく、そのお客様はその後ずうっと、そういう印象を持たれたまま、再び訪れることはありません。

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見えない焦り

そして、そんな状況の中で私自身は、次々と溜まり続ける注文伝票のため厨房から離れられず、ホールが見えないという焦りが大きいのです。

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ウェイティングのお客様が70名を超えるころには、「着席し、待ってるお客様のために早く提供しなければ」ということがプライオリティがより高くなります。食空間として食べているお客様には居心地はよくありません。普段、気を使える部分も見えなくなってしまいがちだからです。

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不快な思いをされた方には、本当に申し訳ない思いです.

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本末転倒

うちは、昔も今も、小さな田舎の飲食店です。そこに、多くのお客様に活イカの味を伝えたいという使命感をもって取り組んできました。活イカの価格を業界水準よりも安くおさているのも、「より多くのお客様に」という漁師の願いのためです。

しかし、それには、「気持よく、楽しんで食べて頂く」ということが、もちろん一緒にあったのですが・・・・・・・・・・・、思いままならない状況を作ってしまっていたようです。

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出会いのために、そして、喜んで頂くための仕事が、当初はそれで良かったことが、今は、そのやり方そのものを変更せざるを得ない状況なのかもしれません。

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「より多く」から「より楽しむ」へ

チェーン店でもない飲食業で、より多くの世代・より広範囲の地域の人という幅広いターゲットとしていくことは、昨今の時代や経営マーケティングに逆行しているというのは分かっていました。

ある意味、ファミレス的な要素をも、システムや料理に組み込んでいかざるをえないからです。

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しかし、こだわり派のお客様にはその「万人向き」とも言える要素には納得しがたいものがあったと思います。

厳しいご指導やご指摘・不評もありました。あえて、「多くの方」のためのシステムや料理が、活イカへのこだわりとは真逆の印象を受けることもあるようでした。

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お店の規模、スタッフの能力、現状のお客様のニーズを鑑み、今後のお店の対応・料金・システム、そして、料理そのものを見直そうと思います。

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お客様に須佐の産物で作る馳走を、楽しんで頂く。

いつも喜んで来て下さるお客様のために、

期待して初めて来店されるお客様のために、

命がけでイカや海産物を取ってくれる漁師・生産者のために、

応援してくれる地域の方のために、

一緒に働くスタッフのために

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これからも、良いお店を目指し、尽力してゆこうと思います。

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