活きたウニの味を守るためにできる3つのこと

今年も、活ウニやってます!

生きてるまんまのうにの味。

梅乃葉で提供する北浦の活きウニは、その濃厚な味にこそ特徴があります。

海でとって、その場で食べてたあの味が忘れられないで、

そんな味を提供したいと思い立ったはいいが、

実は、生きたウニを捕ってくれる漁師さんがいないという現実にぶち当たり、

何年も掛けて、交渉して、

ようやく提供することができるようになりました。

 

しかし、提供するようになると、又、色々問題が出てきます。

生きてても、中身が痩せてて食べしろがほとんどなかったり、

色が黒ずんで、美味しそうに見えなかったり、

水槽で、なかなか生きてくれなかったり、

前途多難な、スタートでした。

そのうち、要領を得て、生態がわかってきて、

漁師と話し合いながら、調整を取りつつ、

ウニというものが、どういうものなのかを、お客様に伝えてゆく必要がありました。

 

少しづつ、知られてくると、楽しみにやって来る方が増えてきます。

すると今度は、異常気象や磯焼けなどの、生態系・自然環境の変化が、

ウニそのものにも影響し始め、

同時に、ウニの餌である海藻がなくなってゆくという事態も多くなってきました。

 

少なくなった、餌(海藻・藻場)を求め、小さな芽さえも食べてしまうウニは、

藻場が少なくなる原因とも言われますが、原因はそれだけではありません。

 

ウニを漁獲する漁師が減ると、ウニは一定数増えてゆきますが、生命力(繁殖力)が落ちるとも言われます。

適度に漁獲している状態が、適度に、ウニの繁殖力を維持するためにもなります。

繁殖力の落ちたウニの生殖器(いわゆる可食しているウニの身)は、小さく、当然食べごたえもありません。

 

 

 

現在、梅乃葉でも、夏のアカウニ(本来なら、5月~8月に提供)は3年連続ご提供できておりません。

それというのも、3年前の集中豪雨災害時に要因の一つと言われた、海水温の上昇による、藻場の死滅、

災害の土砂による湾内海底が土砂で埋没。海藻がほぼ、全滅に近い勢いで、なくなりました。

 

餌でもあり、様々な機能を持つ、海中の藻場の大切さは、失って初めて気付きます。

藻場には、大陸棚の生態系を支える機能がある。藻場は魚類や甲殻類など海中の様々な生物に隠れ場所・産卵場所などを提供する。海藻・海草と、それに付着した微細な藻類は窒素やリンなどの栄養を吸収して光合成を行うので、水の浄化や海中に酸素を供給する役割も果たしている。光合成で作られた有機物は、流れ藻、寄り藻といった形で外洋や深海にも運ばれる。細菌や真菌などの微生物も海藻・海草に付着し、海中の有機物を分解して増殖するため、水の浄化に寄与している。

また、海草は地下茎や根で海底を安定させ、酸素を通すことで嫌気性細菌の働きを抑制し、土壌の悪化も防いでいる。

藻場を構成する藻類自体も、貝類を始めとする多様な生物の餌になるほか、付着する微細な藻類や微生物が小型甲殻類や巻貝の餌になり、それを捕食する魚類も集まってくるため生物多様性が高く、日本では古くから漁場として利用されてきた。漁場以外でも、アマモなどは沿岸における農業で、肥料として利用されたこともあった。【Wikipedia

 

もう、こうなるとですね、普通なら、提供やめちゃえばいいんですけどね。

止めませんでした。うにの味を残したかったからです。

そこで、考えたのが、うにの味を残すためにできる3つのことです。

 

①「ウニを食う!」

ウニを食べて頂く、自分でもちろん食べます。その分、捕って頂きます。もちろん、捕れる分だけです。

ある程度捕ることで、繁殖力に刺激を与えてゆきたいと考えています。

少しでも食べて、味を知って頂く機会を提供し続けたいと思っています。

 

②「ウニについて伝える!」

提供し続けて行く過程で、ウニのことを、生態や価値、一般的な流通商品や、本来の味について等、

もっと多くの方に、伝えてゆくことで、興味を示して頂き、いつか又、豊漁となるときには、思う存分食べて頂けるよう、

伝えてゆきたいと思っています。

 

そして、③「育てる!」です。

 

須佐の海を再生する事業「海の森を作る会」

本日、地域の子たちと、やってまいりました。

藻場再生の事業。

地道な活動ですが、植林や、海藻の種を意図的に撒く手法など、

様々な事業を続けています。

 

 

海藻・藻場を育て、

魚介類だけでなく、海のそのものが浄化され、故郷のきれいな海を持続させてゆくために、

子どもたちに、海の生態系、循環環境、藻場の働き、そんなことを体験を通して、知ってもらい、

又、本当に、海の森が生い茂るようになるよう、続けてゆきたいと思っています。

 

感謝!

 

じゅるっと舌なめずり!焼きたてを楽しむ至高の火加減「魯山人風炙り蒸し」

近日メニュー改定を行います。

何年も前から、私がお出ししたい料理のスタイルがありまして、

何人もの人に語る割に、提供までこぎつけられていないものなんですが、

全て、それが揃うまで待っていても、本当に始まらないということもいい加減わかりましたので(笑)、

もう、できることから始めることにしました。

 

目指すは「世界一剣先イカの楽しみ方にうるさい店!」ですw

イカのフルコースじゃないですよ。

後ですね、来店したお客様にくどくど説明しても、本当に「うっとうしい」って思われるだけですから。

※昨日も説明し終えた後、お客様がお連れ様に、

「自由に食べてね」

と間接的に否定されましたし ∑( ̄Д ̄;)・・・・・・ガーンッ!!

 

普通に、しゃらりと楽しんで頂きます。

私の目指す、「たて料理」(とれたて、捌きたて、焼きたて・・)の良さを剣先イカの特徴を踏まえ、

長く付き合ってきた自分がめっちゃめちゃオススメする食べ方・楽しみ方です。

スタッフにも指導していますが、最低限の説明にとどめるようにしています。(求められれば別ですが)

 

ということで、メニューの改定は、もちろん、剣先イカを楽しんでもらうためでもありますし、

今日この日の昼食が、最高に楽しんで頂けるよう、提案してゆくものです。

他のメニューも含め、価格の改定などもありますが、

宜しくお願い致します。

 

で、そんな献立の中の1つを紹介。

「魯山人風 炭火の炙り蒸し」です。

※「炙り蒸し」は梅乃葉の造語です。

 

北大路魯山人のエッセイにある炭火焼きの中に、

失敗しない最適な方法として書き綴られている方法です。

東洋美人の純米大吟醸酒粕で、漬け込んだ、「寒鰆の炙り蒸し」
※写真は東洋美人の純米大吟醸酒粕で、漬け込んだ、「萩産寒鰆の炙り蒸し」絶品です。

 

ただ、あくまで調理する側の立ち位置で書いてあったものなので、

それを、更に、お客様がご自身で楽しめるよう、やり方を工夫して提供しているのが、

梅乃葉の炭火コンロオプションで紹介している炙り蒸し(蒸し焼き)です。

 

 

 

何の事はない炭火に蓋をするだけです。(笑)

で、新メニューでは、焼き魚を楽しんだ後、ケンサキイカで楽しんでもらいます。

ただ、お酒にちょっとくぐらせてから炙り蒸しにします。(←ココ重要)

酒蒸しですね。

 

ケンサキイカの加熱調理の中で、私が、最上級の絶品とするのが、コレです。

でも、これを、うちの「夜明け干し」でやると、「宇宙一の剣先イカの炙り蒸し」になります。

 

内緒ですよ!

(くどくど説明しませんからね!)

 

 

新しいメニューは、もちろん、活イカがベースですが、

萩を楽しんで頂く食事でもあります。

萩市にある梅乃葉ならではの楽しみ方を提案させて頂きます。

 

 

宜しくお願い致します。

(近日)

 

いかにも!!活いかのクオリティを上げる秘密の裏技!

活イカのための活イカ屋御用達アイテム!

「すんごい、トップシークレットなんです!」

・・・・・・・・・・・・・・・ってほどではないんです。

楽天でも売ってますしw。

 

「最初は、高ッ!」とか思いつつ、懐疑的でしたが、

なんでも挑戦とばかりに、購入。

その名も・・・・

「いかにも」

です。

イカの筋切りをする、金属のピーラーみたいなものなんですが、

ス~っと、引くだけ。

たったコレだけなんですが、そのインチキ臭い名前のせいもあって、

斜に構えて使い始めましたが・・・・、

 

「いやいや、これいいんじゃない?」

「使える!」

「ナニコレ!超絶便利やないん!?」

と、今では、必需品になっております。(笑)

 

活いか調理での最重要項目

何がいいのかって、スピードです。

これを使うまでは、もちろん、包丁で、筋切りをしていました。

普通、和食では、皆、そうやっていますし、幅調整もできますからね。

でもこれを使うと、そりゃ、圧倒的にスピードが変わります。

 

死んで、白くなったイカをコテコテいじるなら、じっくり丁寧に仕事するのも良いかもしれませんが、

活イカ調理は、スピードが何より重要です。

 

 

あっという間に身の状態が変わってゆきますし、

最短でお客様のもとに届けることで、

活きのそのライブ感を楽しんで頂けるわけですから、

活いか調理法は、あらゆる面で、和食の一般的技法とは異なる独自の調理方法をします。

お客様に提供する活いかの品質を上げるための裏技。

 

地味ですが、その効果は納得の効果。

そんな目に見えないところで、活躍する技法・アイテムもあるんですよ~という話でした。

 

 

 

お!そうそうコレコレ!梅乃葉が高品質化にこだわる理由

来たーー!忘れたころにやってくる必然の師

いやあ、飲食店としても季節的にもちょいとゆったりとするこの時期のはずが、

年末から途切れることなく何かに追われておりまして。。。

(今朝も、本年の夏の祭りの仕込みをしておりましたww)

 

夢中でいろんなことを追いかけておりますと、

時々、忘れた頃にやってくる、気付きがあります。

 

自分的には、全てのことには意味や目的があって動き始めているいるので、

当然って言えば当然なのですが、目的に近づくと、それぞれが、線でつながって見えてきて、

いざって時に腹落ちするような出会いが、きちんと待っています。

まさに、「準備ができた時に師は現れる」です。

 

※「その出会いが無いうちは、まだまだなんだな」と、

思うところもあり、「気焦りは禁物!」とやり過ぎを自制することも最近はしばしば。

 

本年のサービスインは・・

梅乃葉としても、大抵、この時期にこの1年を通してサービスインする体制の具体的準備・仕込みを進めます。

 

例によって、人材不足は慢性化しておりますので、

規模を大きくするような事業の方向ではなく、

「より、お客様が楽しんで頂くために、何ができるだろう!?」

そんな、「楽しさ満足感向上計画」から、いろんなことに挑戦してゆきます。

 

本年の肝は、以前からお客様に提案したくてウダウダとローンチできていなかった商品(サービス)をスタートさせます。

近日、お知らせできるように頑張ります。

 

そして、そして、導入後、試用期間を経て、

本年フル稼働に向け徐々に業務に浸透させてきましたコイツ!

次世代超高品質急速冷凍庫「3Dフリーザー」!!

山口県が世界に誇る技術として現在、日本国内のみならず、世界に進出している凄いやつです。

古賀産業株式会社 (←詳しい技術はこちら)

 

特殊急速冷凍したものを解凍しても、

細胞を破壊しないので、ドリップなど出ず、素材の良さをそのまま冷凍保存できる優れもの。

活イカで、試してみました。

カキーン!と、一気に急速冷凍。

 

と、まあ、やるんですが、

梅乃葉で、この急速冷凍したものを「活イカ」として提供するんじゃないですよ(←ココ重要 笑)。

 

活いかや生鮮素材で、その最高鮮度が保てる期間のもの以外の、

加工原材料や加工品全てを、

3Dフリーザーによって、

高品質な状態に保ちます!

 

※つまり、生鮮の生きのいい状態の原材料で、全て加工し、

できたものを、できた状態のまま保存する。

ということです。

もちろん、結構な負担でしたが、踏み込みました。

 

 

なんでそこまで?高品質化の理由。

”剣先イカの本来の価値を伝えてゆくためです。”

イカ業界って、扱いや価値について、すっごく古い常識のまま変わっていないんですよ。

消費者ならまだわかりますが、取扱事業者が、まず、そうなのです。

 

イカの町と言われるところでも、価格が先行し、安いスルメイカや、名もない外国のイカを原料にして加工品を作っていますし、

個人的にどうなん?とショックを受けたのが、京都の有名な西京漬けのお店で、扱っているイカの品種さえ質問に応えられなかったことがありました。

他の魚は、品種や産地を価値とすることは当たり前になっていますが、イカは殆ど無いです。

 

「スルメイカとケンサキイカの違いを伝えても、都市圏の消費者は同じイカだろ?くらいにしか思わないよ」

と、以前、有名な食品バイヤーにもダメ出しされたことがあります。

(もちろん、価値を知っている人は知っていますが)

 

西日本(特に、島根・山口・九州圏)では、剣先イカの価値は、活イカとともに少しづつ認知されてきています。

しかし、今一歩広がらないのは、事業者の意識もありますが、

研究や技術によって変わってきている「扱い方」と、「お客様に届ける方法」が、事業者に広がっていないというのもあります。

 

梅乃葉には、須佐男命いかの味を多くの人に伝えてゆく使命があります。

それは、剣先イカの価値を高め、多くの人に知ってもらうことです。

 

そんな中、梅乃葉に来店して頂けた方に、

最高に楽しい食事の時間となるよう、従業員一同お店づくりをしてゆきます。

(お待たせはしますけど。。。。・・;)

 

遠く離れた小さな田舎のお店に、めちゃめちゃ待たされても、足しげく来てくださるお客様のために。

本年も進化いたします!