活イカと須佐一本釣り船団の漢達
日本海でも山陰地方から九州長崎沖にしか生息してないイカで、須佐はこのイカ漁の盛んな土地で、地の漁師は一年中このイカを追い続けています。
イカの味と価値を昔から熟知しており、活かして港まで持ち帰る。ただひたすらにそれを生業としているのが、須佐一本釣り船団の漁師の漢達です。
須佐では追い続けるイカ達を、「須佐・男命いか(すさみこといか)」と呼び、親しんでおります。
一本釣り漁法とは
いわゆる「釣り」ですが、竿を使わない「手釣り」が一般的です。網で獲る漁法と比べて魚を痛めないという特徴があります。
昼は「タンポ流し」という船を動かしながら釣り糸を流すという漁法です。主に、晩秋から春までの期間です。夜は、「漁火」(いさりび)きれいな、集魚灯による一本釣りです。春から晩秋まで行います。
その時捕れる方法で行うのが漁師の判断です。別に決まってるわけではありません。
しかし、夏の夜の海を照らす漁火は、人工衛星からもわかるほどの光源だそうで、昨今は、省エネのLEDによるイカ漁法が、試されているご時世ですから、そのうちこの「漁火」というのも古い昔話として語られる時代がくるかも知れませんね。
須佐一本釣り船団
「日本海の魚は身が締まってて美味いよね・・・!」
昔から言われていましたが、それは、波や海流などを含めた自然環境が厳しいためと言われています。又、その中を漁業を生業とすることがどれだけ厳しいことか、計り知れません。
1人1人が社長であり、人の言う事に流されず、自分で決め自分で責任を持つ、常に決断力を必要とされるのが、漁師です。
その漁師が、組織として結束することは並大抵の努力ではできません。ワンマン社長を組織として束ねるなんて考えただけでも、骨が折れそうです。
しかし、ひとたび結束したらどうでしょう!恐ろしくパワーのある集団ではないでしょうか!?
私は、それを見てきました。
須佐一本釣り船団です。縦社会でもある漁師の中で、60名前後もいる船団員の先輩後輩を立てながらも、会議や話し合いを重ね、協力し、町の将来を憂い、夢を語り、団結している姿に、個人的にいつもインスパイアされてきました。
その一本釣り船団が、須佐の活イカを世の中の人にもっと知ってもらいたい!と、立ち上がって進めてきたのが「須佐男命いか」ブランド化です。
漁師が始めた「須佐男命いか」ブランド化
最初は活イカ直売市をわずかな水槽で始めました。その水槽は、国からの支援を受けるべく当時一本釣り船団長が水産庁まで行き、庁舎フロアでイカの一夜干を焼いたりして様々な努力(?)を重ね、国のモデル事業に指定を受け、その助成金で購入したものです。
たくさんの方にアピールするため、メディアだけではなく各地の祭りに「活イカ」を紹介する行脚が続きました。
イカを取り扱ってくれる業者も増え、今では九州佐賀の呼子や四国愛媛の業者からも引き合いがあり、広島・島根・鳥取から続々と須佐のイカを仕入れにやってきています。
「活イカを食べる」ことは、イカの本来の味を知ってもらうことです。
活きてるまんまのイカの味が、どれほどのものなのか熟知しているからこそ、ブランドとしての商品価値があるという漁師の信念で、とうとう2006年4月28日「須佐・男命いか」商標登録までこぎつけたのです。
(登録商標第4947747号)
登録商標
ロゴやキャラクターマークが決まり、直売市が7月2日より開催されました。(9月までの3ヶ月間、毎週土日の午前中開催)
夏本番を迎えると、7月27日には須佐の「イカ祭り」があります。イカ・イカ・イカ・イカづくし・イカ三昧の祭り。漁師や漁師のお母ちゃんも総出で、にぎやかになる漁師のお祭りです。
いか街道
2006年より、山口県が推進する「いか街道」がスタートしました。
豊北角島-長門先崎-萩大井-萩須佐の4地区を結ぶエリアの海岸線R191を指します。
剣先イカの漁獲高は佐賀県が全国1位次いで山口県。そして島根県です。イカ街道4地区の漁獲は島根県全体の漁獲に匹敵するほど多いそうです。
角島を始め、須佐の取り組みにはたくさんの漁業関係者が視察に来られました。須佐が実証したノウハウが全国に広がっています。
活イカのまち「須佐」
活イカは扱わなければわかりません。それほど、難しいのです。いか街道の北端「須佐漁港」の一本釣り船団が培ってきたキャリアが更に、多くのイカ好きに楽しんでもらえる内容を、今年も来年も発信していくでしょう!
活イカの町「須佐」は、これからも一本釣り船団の団結力が、町を面白くさせてくれます。
活イカデータ
須佐男命いかの時期
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須佐男命いかは、4月中頃から12月・1月位まで取れます。ただ、冬場は時化が多く出漁できない日が何日も続くこともあります。1月・2月頃からは、男命いかがほぼ獲れなくなる為、逆に旬となる「ヤリイカ」(ササイカ)の活イカで提供となります。 |
須佐男命いかの旬 |
ケンサキイカの旬は一般に5月・6月頃の春とされています。 確かに、その頃のイカも美味いのですが、型や味について共に評価が高いのが、秋のイカです。 9月後半~10月には出てくる地元では「ぶといか」と呼ぶ身の厚いイカです。 それぞれ時期によって獲れるイカを見ていると、かなり厳密に言えばケンサキイカといってもその生態・生体は別種と思えることが多いです。(これは専門家も言っています) |
須佐男命いか直売市 |
須佐男命いかを須佐一本釣り船団の漁師達から直接買える直売市です。 毎年、7月、8月、9月の毎週土曜日と日曜日(7月末の地元の祭り期間・お盆期間はお休みがあります)に開催されています。 朝、9時から11時くらいまで行なわれています。 |
活イカの美味しい食べ方
梅乃葉では、イカを漁師の方から直接仕入れ、活かしております。ただ通常3日と活きてはくれません。(ストレスを持ちやすく、環境に左右されてしまうため)
逆に活きてるうちは鮮度がいいので、もちろんお客様のご注文を受けてからさばきますが、よりいい状態で、イカを味わって頂こうと、胴以外はお客様自身に調理バサミで、お好みの大きさに切ってもらうという、「ちょこっとセルフサービス」で提供しております。
活きてるまんまがイカ本来の味なんです!
そのまま口に運べば、吸盤が口の中に吸い付き、コリッとした食感の後に、イカの甘みと旨味が「じゅわぁ~」っと広がります。次に透き通るような肢体に切れ目を入れた胴の身を食べると、洗練された身の美味さ、歯応えとねっとり感を合わせたような食感に、「う・・・・・・・・・・・・・・・ん」と、感動でにやけてしまいます。
萩の地醤油を使っています
目の際あたりを「水吹き」といいますが、地元漁師のおかあちゃんに言わせると、そこがまた一番美味いんだそうです。干物にしても、ミンチにしても、味が濃いのはやっぱりそこですね。
足が早く(傷みが早い)、状態によってまったく食感や旨味・臭いの変化はあっという間です。逆に言うと、「イカが苦手な方」は、粗悪な状態のイカしか食べたことが無いのがほとんどで、「臭い」「にちゃにちゃしてる」などと思ってる方は、本来のイカの味を知らないと言っても、過言ではありません。
「やはり、イカは活きたものを食べるべし!」
※ 「梅乃葉」に来て、イカが食べれるようになったという方は珍しくないですよ。 スーパーや都会の魚屋でしかイカを買えない方には、これは「イカじゃない・・・・」 東京・大阪・東日本の方々はもちろん、県内の方でさえ身近にはない。地元でしか味わうことのできない活きた剣先イカを梅乃葉でご賞味ください。